第47話 戻れない道
「・・・はぁっ・・・」
「・・・こんな時間にまさか鉢合わせするなんて・・・買い物も出来なかったし・・・」
「・・・って・・・なに?また変な音楽・・・
・・・なんかしかも寒い!もう、気味が悪いなぁ。」
ねぇねぇ、リンダ。
夜中に変な音楽が鳴る時はさ・・・
たいてい・・・出てるんですよねぇ。
今日は色んな語りが多いので、中の人の独り言は小文字で何とか区別して下さい。
あ!そうだ、今日のテーマソングだ!tp://
名曲が多過ぎるシムズ3・・・もう私・・・本当にシムズが大好きです。
「キャーッ・・・!で、で、で、出たー・・・どうか・・・命だけはお助けをーっ!」
「もうっ!あたしよ、あたし!」
「わたしには、お化けの知り合いなんていませんから!ひえーっ・・・くわばらくわば・・・」
「リンダってば!ほら、あたしよ!ローズだってば!」
「・・・あれ?」
「まったく、誰かと思えばリンダじゃないの。人騒がせなんだから。」
「・・・ロ、ローズ・・・さん・・・?」
「そうだってば!元気にしてた?」
「ローズ・・・さん・・・」
「うぇーん・・・ローズしゃん・・・会いたかったよぉ・・・」
「あらあら・・・どうしたの?辛かったのね?」
「よしよし。たくさんお話聞いてあげるからね。」
「うん・・・しくしく・・・」
「あら・・・あなただったのーっ?ビクビクして損しちゃったわ!」
「ほら、もう一人、懐かしい人のご登場よ。」
「え?また・・・で、で、で、出たーっ・・・!」
「いやーね、ほら、よく見てご覧なさい?」
「御機嫌よう、リンダさん。」
「誰かがゴソゴソしてると思ったけど、まさか、あなただったとはね。」
「・・・あれ?」
「・・・コーネリア・・・さん?」
「そうよ!リンダがこんな所でゴソゴソしてるから怖がらせちゃったのよ?ねぇ?」
そんな訳で、リンダの逃亡先は、なんとビックリ・・・?鍵を預かっていたゴス家だったのですね。
で、ゴス家ならでは、懐かしの故人との再会です。ま、これもシムズの醍醐味って事で。
「・・・チェスターくんと?まぁ、あの子見てたら驚きもしないけどね。」
「ヒック・・・彼・・・すごく・・・すごく優しいのに・・・わたし・・・」
「そりゃ、気持ちってものは自分でどうこう出来るもんじゃないからね。」
「思ったよりも・・・どんどんどんどん話が進んでしまって・・・」
「こんな事なら・・・あのまま変なスーツの人と結婚すれば良かったんじゃ、って・・・」
「結局、家を出る必要も、これまでの事も全部無駄だったんじゃないかって・・・」
「そう思ったら・・・もう何がなんだかわからなくなっちゃって・・・」
「あらあら、あなたも大変だったのねぇ。」
「でしょ?この子、見た目より真面目なのよ。さぁ、馬鹿な事言ってないで!元気出しなさい?わたし達が居てあげるから!ね?」
「ローズしゃん・・・コーネリアさん、勝手にこのお屋敷に入ってすいませんでした・・・」
「いいのよ、好きなだけゆっくりして行きなさい?ね?」
という事で・・・隠遁生活のリンダに、愉快な仲間が加わりました。
そして、サンセットバレーで始まった、長編小説の執筆も大詰です。
実は、『秘密の公園で』には、まだ少し続きがありました。
『今は無理でも・・・1年後の今日・・・』
『ツインブルックの橋で落ち合おう・・・』
結局・・・1年後も2年後も・・・
ずっと・・・アレックスは現われませんでした。
こうして、アレックスと・・・わたしの物語は途切れたまんま・・・
いつしか・・・
もう絶対に・・・
もう二度と・・・人を好きになったりしないって思っていたのに・・・
なのに・・・新しい物語を始める事が出来たのに・・・
わたしはどうしても・・・駄目な恋愛しか出来ないみたい。
まぁねぇ・・・誘惑的なシムだけに、一筋縄ではいかない恋愛に惹かれる傾向はあるのかもしれません。
そんなリンダですが・・・
ちょっと不気味だけど・・・懐かしい友人と過ごすのは、
思いのほか、嬉しくて楽しい時間となったようです。
そんな日々も、あっ!という間に過ぎていき・・・
街の反対側では、ある一つの決断が下されようとしていました。
『男の子かな?女の子かな?』
『私は、可愛い女の子がいいな。』
「私も、もうそうするしかないと思うわ、もう無理よ。」
「ミッシェル・・・すまない。」
「だけど・・・あなたは、とうとう・・・」
「あの約束を破るのね。」
「・・・そうだな・・・本当に、すまないと思ってる・・・。」
『約束してくれ。何があっても、最後までミッシェルと子供を守ると。』
『・・・約束します。』
『ほんとだな?男同士の約束だぞ?いいんだな?』
「あなたは、あの約束を破ったのよ!私だけでなくお父さんまで裏切ったの!あんなに世話になっておきながら!!」
「だってもう・・・どうしようもないんだよ・・・」
「出て行って!今すぐ出て行ってよ!このスケコマシ!」
『何だか・・・お義父さんに悪いな・・・けど、いい家じゃないか。』
『そうねぇ、ちょっと手狭だけど・・・仕方ないものね。』
『ここが・・・私達の寝室ね。』
『よし!この壁一面にドーンと鏡を貼り付けよう!昔からの夢だったんだ!』
『えーっ・・・それは・・・』
『いいだろ?・・・きっと夜はいい感じだぞ?むふふ・・・!』
結局のところ・・・
私達は・・・
何かにつけて・・・
合わなかった。
今だから言えるけど、正直、何もかもが合わなかった。
それは、薄々わかってたけど・・・
ここまで来ちゃったのに、今更、どうすればいいの?
まぁ、ここは・・・余りにも気の毒な役回りになってしまった、ジョンへの救済だと思って多目に見てやって下さい。
ジョンとミッシェル、そして子供達の年齢を考えると、ジョンたちは高校を出てすぐに子供が出来た、くらいの計算になりますし・・・
恋愛らしい恋愛期間もないまま、家庭に入ることになってしまい・・・
それでも必死に夫婦として、親として、過ごして来た2人には・・・
まだまだ、人生やり残している事もあると思うんですよねぇ・・・。
あーっ・・・不倫モノってどうやっても、不倫した2人が悪者になるジレンマが苦しいです!
『もう、この街には、わたしの居場所はない。・・・そう言い残してサラは朝靄の中に消えた。』
「・・・出来た・・・」
「終わっちゃった・・・」
「・・・ここの物語も。」
「悪徳不動産さんですか?以前、お伺いしたカーターですが・・・」
「・・・本当ですか?はい・・・是非・・・すぐにでも・・・」
「・・・はい、ようやく、本が完成しました。」
「えぇ、もう一度、全体を確認してから送りますので・・・」
「よし!・・・ん?何だろう・・・人の気配が・・・」
「血ィ~・・・吸うーたろか!」
「わっ・・・ひィ・・・!!い、命だけは、お助けを~っ!」
「ふぉっふぉっふぉっ!」
「わしじゃよ!わし!」
「その帽子・・・」
「もしかして・・・おじいちゃん!?」
「そうじゃよ!帰って来たと思えば、意外な客人と出くわして嬉しいのぅ。」
「で、で、で、でも・・・その牙、その肌、その瞳・・・」
「おじいちゃん・・・吸血鬼になってる!?」
「ん?そうなんじゃ。これでコーネリアと夜通し遊べるじゃろと思うての。」
「おじいちゃん・・・そうだったの・・・」
「・・・おじいちゃん!お帰りなさい!」
「あぁ、ただいまじゃ。ただいま、リンダや。」
まぁ、最後なので・・・ww
こういうのもアリ・・・かな・・・と思いまして・・・ww
長い間、ムーンライト・フォールズに出掛けていたガンサーですが・・・
実は吸血鬼になって、コーネリアさんと思う存分、夜の時間を過ごしたかった、という訳です。
くっ・・・
泣かせるねぇ!やっぱゴス家のシム、最高だよ!うん!
「本も完成したし、ガンサーも帰って来たし、リンダはどうするの?」
「はい・・・明日には出ようと思っています。」
「・・・え?」×3
「なんで?」「どうして?」「何故じゃ?」
「ほ、ほら・・・家の整理とか、色々・・・する事があるので・・・」
「そうなの・・・」
「寂しくなるわね・・・。」
「またいつでも帰っておいで。」
「うん・・・お世話になりました。」
本も完成しました。
懐かしい仲間とも再会出来ました。
もう、この街には・・・
わたしの居場所はない。
そう言い残して、朝靄に消えたのは、やっぱりリンダだったのです。