第21話 ジョンとリンダ
物語は始まったばかり・・・
でも・・・ずいぶんとホロ苦い始まりとなってしまいました。
せっかく好きな人との距離がググン!と近付いたのに・・・心は晴れません。
何故なら・・・アナタが手を出したのは人のものだから・・・。
「なんで親父あんな所で寝てんの?」
「さぁ?昨日遅かったからじゃない?」
「・・・何もあんな所で寝なくてもいいと思うのにね。」
「ちょっとあなた!」
「・・・ん・・・」
「掃除の邪魔だから寝るなら寝室に行ってくれない?」
「・・・あぁ・・・すまん。」
ジョンもジョンで・・・複雑な心境だと思います。
『・・・奥さんと別れて・・・なんて言わないから・・・』
「・・・どういう意味なんだ・・・?」
「・・・なんで・・・」
「・・・あんなこと言っちゃったんだろ・・・」
『だから・・・またこうして会えたら嬉しいです・・・。』
『リンダさん・・・』
『・・・今日は帰ります。』
・・・・・・・・・・・・・・・帰るんかい!
いや、そりゃ帰るけど・・・しかしリンダは一体何を血迷っているのでしょう?
・・・作ってる自分でもリンダのこのセリフには困惑しています。
まぁ・・・これまで溜めていた思いが溢れて、あんな事になってしまえば・・・
戸惑うリンダの気持ちもわかるような気がしますが・・・
それにしても『奥さんと別れてなんて言わないから・・・』って・・・小悪魔か!
「コナーさんおはようございます!」
「・・・おはよう!」
それでもジョンは仕事に行かないといけませんし・・・
というよりは、普段通りに振る舞わないといけませんし・・・
こういう時、ジョンは何を考えているのかなぁと思ったりします。
「こんにちはー!おねーさーん!」
「・・・チェスくん・・・。」
一人で黄昏ようと思ってもこんな事ってあると思いますし・・・。
やっぱり不倫モノって難しい!
「おねーさん今日は気分転換?」
「・・・え?」
「あ、違った?作品書いてるんだと思ってた。」
「・・・う、うん・・・まぁね。」
「ふーん・・・」
「え、なに?ロバート何か言った?」
「いや・・・」
「つか・・・なんか俺・・・腹減ったな。」
「ねぇ、リンダさんだっけ?いつもこいつがリンダさんは料理上手だって褒めているんです。」
「・・・ん?」
「なんか僕達お腹空いちゃって・・・」
「ロバート・・・結構図々しいんだね。おねえさんは気にしないで、そこで何か食べればいいし。」
「いや、でも俺、今日すっからかんなんだよ。」
「ね?おねえさんの料理ってやっぱ上手いでしょ?」
「・・・チェスは俺に感謝しろよ?」
「なんで?」
こんな話があるか!とズッコケられるかもしれませんが・・・
実際に、ジョンの息子のロバートとチェスターは永遠の親友なのですから、しょうがない!(開き直り!)
しかしねぇ、奥さん。
このロバートって子はお母さんそっくり!なんです。
こんな時・・・やっぱリンダは気まずいのかなぁって思ったり。
「コナーさん、よかったら今日付き合ってくれません?また嫁と揉めちゃって。」
「・・・いや・・・」
「今日は・・・」
・・・どうすんねん!?今日はどうするの?こんな時ってどうするんだーっ!!
個人的には、その翌日って結構・・・大切だと思うんです。
翌日に気持ちを抑えられるなら・・・
でもこの二人は・・・
「・・・これ、よかったら一緒に食べないかな・・・と思って・・・」
「・・・えっと・・・」
「・・・やっぱり・・・」
「・・・帰るよ・・・ごめん・・・何やってんだろ・・・」
「・・・入って・・・」
でも、この二人は・・・きっと無理だと思います。