リンダの物語
・・・久々にこっ恥ずかしい妄想爆発の一話です。
今日のテーマソングは『The Goo Goo Dolls - Slide 』で頑張りました。
「うん、じゃまた明日ね、カーソン。」
「・・・お母さん・・・」
「・・・。」
「お母さん、お休みなさい。」
「・・・え・・・うん・・・おやすみ。」
「・・・。」
「・・・一体・・・何なの・・・?」
『明日午後二時・・・
美術館にて・・・』
「・・・何なのよ・・・。」
ー翌日ー
「・・・行かなかったら・・・」
「行かなかったらいいだけの話だしね・・・もう忘れよ・・・。」
「おなか空いた~!」
「もうすぐお兄さんになるんだから、ちょっとは食欲抑えないとあっという間におデブさんになっちゃうよ?」
「じゃ、アクティブな特質付けるから大丈夫だよ。」
「大食い遺伝子とアクティブ遺伝子だったらどっちが勝つのかなぁ。楽しみだね!」
「・・・え?」
「・・・うん・・・そうだね・・・早く・・・食べちゃいなさい。」
「はーい!」
「お母さんってば!」
「・・・え?」
「用意しなくていいの?」
「・・・あ・・・もうこんな時間?」
「そうだよ!お母さん大丈夫?今日なんか変だよ?」
「・・・うん、別に・・・大丈夫だよ。」
「もう僕先に行くからね!カーソンが待ってるんだ。」
「・・・うん、気をつけて行ってらっしゃい。」
「・・・しっかりしなくちゃ・・・。」
「・・・馬鹿みたい・・・。」
「・・・何・・・考えてんだろ・・・。」
「・・・ふがっ!ハンク・ゴダードだ!逃げろっ・・・!!」
「何だ・・・リンダか・・・びっくりするじゃないか・・・。」
「・・・おはよう。」
「ん?えらいめかし込んでるな・・・今日休みだったか?」
「う、ううん・・・」
「・・・今日はちょっとお偉いさんと打ち合わせだから・・・気合入れてみただけ・・・。」
「そうか、じゃ頑張ってな。」
「うん・・・。」
「やだ・・・もうこんな時間・・・。」
「・・・。」
「・・・わたし・・・」
「・・・あの・・・ちょっとだけ抜けるけどいい?」
「帰りにドーナツ買って来てくれるならいいよ。」
「えー、じゃアタシもお願いしていい?」
「・・・もう・・・帰っちゃったかと・・・思ってた・・・。」
「・・・うん・・・ちょうど帰ろうとしてたとこ。」
「・・・。」
「久しぶりだな・・・。」
「・・・うん・・・久しぶり・・・。」
「リンダは・・・やっぱり少しも変わってないな。」
「・・・あなたも。」
「急にメール送ったりしてごめん。」
「・・・うん・・・」
「来てくれるとは思ってなかったから・・・。」
「わたしね・・・」
「・・・もう長い間・・・あなたのことを思い出さずにいれたのに・・・」
「・・・。」
「・・・一体何の用なの・・・?やっと・・・やっとだったのに・・・!」
「ごめん・・・。」
「俺・・・明日・・・誕生日なんだ・・・。」
「だから・・・?」
「わかってないな・・・俺、明日で・・・じいさんになるんだよ。」
「・・・じいさんって・・・」
「だから言っただろ・・・?俺の方がだいぶ年上だって・・・。」
「・・・そうだったの・・・あ、明日・・・?」
「うん・・・だから最後にもう一度だけ・・・」
「もう一度だけ、会っておきたかったんだよ・・・勝手な話だけどな・・・。」
「ううん・・・全然・・・。」
「うちの子もね、もうすぐお兄さんになるんだ。」
「リンダの息子がかぁ・・・そりゃ俺もじいさんになる訳だ。」
「ふふふっ・・・そっちはどうなの・・・?上手くいってる?」
「あぁ、順調だよ。ブリッジポートに店を持てたしな。」
「わぁ!素敵ね。やっぱりあそこってセレブが多い?」
「そうだな、マシュー・ハミングとかよく来てくれるな。」
「じゃ、やっぱりここよりは華やかで楽しそうなのね。」
「まぁな・・・。」
「みんな元気にしてるの?」
「ん?」
「息子さんとか・・・」
「あぁ・・・。」
「・・・。」
「ん?」
「・・・いや、うん・・・みんな元気だよ。」
「・・・さて・・・じゃ・・・」
「え?」
「飛行機の時間なんだ・・・。」
「・・・そっか・・・。」
「・・・じゃ・・・・」
「・・・うん・・・。」
「今日は会えて嬉しかったよ。」
「・・・わたしも・・・」
「・・・ね・・・一つだけワガママ言ってもいい?」
「ん?」
「今日はあなたがわたしを見送って・・・?」
「・・・。」
「もう・・・嫌なんだもん・・・あんなの・・・」
「・・・リンダ・・・」
「・・・わかったよ。」
「・・・やっとだったのに・・・」
「・・・ほんとに・・・やっとだったんだよ・・・?」
「・・・。」
「・・・本当にごめん・・・。」
「いつも勝手ばっかりなのね・・・」
「・・・あの時だって・・・」
「・・・そうだな・・・。」
「・・・本当にごめんな・・・。」
「・・・そればっかり・・・。」
「・・・本当にごめん・・・。」
「・・・うん・・・。」
「わたし・・・もう行くね・・・。」
「元気でな・・・。」
「・・・あなたもね・・・。」
「・・・さようなら。」
「親父、入るぞ。」
「・・・ん?」
「おぅ!どうしたんだ?」
「親父の誕生日だろ?」
「さすがに1人っきりでってのもアレだと思ってさ。」
「よく母さんが許可したな。」
「知らねぇよ、そんな事。」
「そう言うけど、怒られるの父さんなんだぞ・・・。」
「何とかしとくから安心しろって。」
「調子はどうだ?うまくやってるか?」
「あぁ、まぁね。」
「ん?どうした?何かあったのか?」
「・・・いや・・・」
「何て言うか・・・リバービューって田舎過ぎてさ。」
「あぁ、そうだな、確かにあそこは田舎だな。でもしょうがないだろ?母さんの地元なんだから。」
「そうだけど・・・まぁいいや、ともかくみんな元気だよ。」
「母さんも結局さっさと再婚しちゃうし・・・親父は?」
「え?何が?」
「親父もそろそろ考えてもいい頃だろ?」
「・・・あぁ・・・その話か・・・。」
「こんないい街に暮らしてんだし、メロンのよりどりみどりだよな~。羨ましいったら・・・。」
「で、どうなの?」
「本当にしつこい奴だな。適当にやってるよ。」
「え~!俺も色々心配してるんだぜ?ねぇ、好きな人とか居ないの?」
「・・・さぁな。ほら、消すぞ!」
「どうだ?ジジイか?」
「いや・・・親父、結構渋めでいいと思うよ、わりとマジで。」
「・・・好きな人か・・・。」