第12話 長い一日
変態パーカーに付きまとわれて動揺していたとは言え・・・
自分の中に流れる『誘惑的』なシムの血を抑えきれなかったこの夜・・・
『・・・ほんとに好きな人には・・・』
なーんて・・・馬鹿でもわかる告白めいた事をしてしまって・・・
「・・・ほんとに・・・」
リンダは後悔しています・・・w
「・・・最低・・・。」
「・・・でも・・・ほら・・・一応・・・なんちゃって・・・って言ったし・・・」
「・・・フォローにもなってないよね・・・。」
必死に何もなかったと言い聞かせても・・・無駄なんじゃないのぉ???
などといいつつ・・・
「ねぇ。」
「・・・え?」
「・・・うそでしょ・・・。」
「や、昨日はちょっとやりすぎちゃったと思って謝りに来たんだ。」
「・・・あら・・・そうなんですか。」
「ほら、俺って誘惑的じゃん?」
「だからどうしても・・・特に夜になるとムズムズってしちゃうんだよ。」
「・・・そうだね。」
自分にも思い当たるフシがありすぎて反論出来ないリンダ・・・wwww
「でも、ちょっとやり過ぎだよ?あんなんじゃ女の子みんな逃げちゃう。」
「うん、ほんとに昨日はごめん。」
「もういいよ、それでは。」
・・・と、その時・・・
・・・女の子特有の甘い香りがパーカーの鼻先をくすぐった・・・なんて意地悪なそよ風・・・。
「ねぇ・・・」
「何?」
「・・・やっぱり俺の事好きなんだろ?」
「・・・は?」
「もう、そんな顔しちゃって。」
「・・・え、だって今悪かったって・・・」
「いいから、早くうちに入って昨日の続きしよう。」
「・・・もうやだってば!」
「愛してるよ、俺の可愛い容疑者ちゃん。」
執拗な変態勘違い野郎(パーカーファンの方がおられましたら本当に申し訳ありません!) にまたもや絡まれ、リンダ絶体絶命の大ピーンチ!
と!ここで呼ばれて飛び出たのが・・・
「・・・おねえさん、大丈夫?」
「チェスター君。」
「なんだチェスターか、子供はあっち行ってなさい。」
「・・・子供って言うな!」
「はいはい、いいから、大人は色々忙しいんだよ。
俺とリンダはね、これからとっても楽しい事するんだ。」
「はぁ?アンタまた何か気持ち悪い事言ってんの?」
「何が気持ち悪いんだよ、俺たちは今から警察ごっこするんだよ。」
「・・・俺が警察に入ったらまず最初にアンタを逮捕してやるからな!」
「はぁ?何で俺が逮捕されなきゃいけないんだよ?」
「アンタの存在自体が卑猥なんだよ、公然わいせつで十分だろ。」
「え?今何て?ね、リンダ聞いた?今の?卑猥だって、卑猥!うふっ!!」
「チェスター君・・・。」
「もういいからあっち行きなさい、さ、リンダ続き続き。」
「・・・やだ。」
「え?もう。照れちゃって可愛いんだから、俺のリンダったら。」
「やだってば。」
「ほら、『俺のリンダ』がそう言ってるんだからもう諦めたら。」
「だって・・・」
「僕、お母さんに言い付けちゃおっかな~。」
「うっ・・・」
「みんなが僕をいじめるんだぁ~っ・・・おかぁさ~ん・・・」
「・・・ほんとに気持ち悪い奴だな。」
「・・・チェスター君・・・」
「おねえさん、大丈夫だった?」
「うん、チェスター君のおかげで。」
「バカなんだよ、あいつ。」
「ふふふ、そうだ、お礼させて?」
「チェスター君って、警察官になるの?」
「うん。生涯の願望ってやつが国際的スーパープレイなんだ。」
「それって、特別捜査官になるやつでしょ?」
「うん、でもまずはパーカーを捕まえるって決めたよ。」
「ふふふ、チェスター君って勇敢だからきっと素敵な捜査官になるね。」
「おねえさんは?」
「・・・え?」
「おねえさんの生涯の願望。」
「・・・あ、あぁ・・・さぁ・・・何でしょう?」
「あれでしょ?」
「ん?」
「有名作家になるってやつ。お兄ちゃんと一緒だね。」
「・・・まぁね。」
「お兄ちゃんは全然ダメだけどね、おねえさんは絶対達成できるよ。」
「・・・へへへ。」
「あ!おじさんだ。」
「・・・え?」
「おじさん、こんばんは。」
「・・・おう。」
「・・・どうも。」
「あなた、遅いじゃないの、もうみんな中で待ってるのよ。」
「・・・。」
「あ、おばさん!今日はデートなの?」
「あら、そんなんじゃないのよ、ちょっと家族の集まりでね。」
「あ、おばさん、おねえさんにはもう会った?」
「ううん、まだなの、どんな方かな~って気にはなってたんだけど。」
「あ、じゃおじさんが紹介してあげてよ。」
「・・・そうだな。」
「どうも妻のミッシェルです。」
「初めまして・・・。」
「どんな人かと気になっていたんだけど、ご挨拶が遅れてごめんなさいね。」
「いえ・・・こっちらこそ・・・。」
「チェス君もなかなかやるじゃないの!」
「ほんとに違うんだって、パーカーがね・・・」
「・・・パーカーが?」
「うん、今日は一段と気持ち悪いことばっか言ってた。」
「そうそう、あの子って、ちょっと言う事が気持ち悪いわよね。」
「そう、チェスター君、今日とっても勇敢だったんだよね。」
「へへへ。」
「へぇ・・・。」
「だからね、僕が警察に入ったらまずあいつを捕まえてやるって決めたんだ。」
「まぁ、チェス君、それっていい考えだわ。」
「でしょ?あんな街の風紀を乱す奴なんか懲らしめてやらないとね、おじさん。」
「・・・ん、あぁ・・・」
「そうだな、チェスに任せとけば安心だろうな。」
「へへへ。」
「じゃ・・・そろそろ・・・リンダさん、会えて嬉しかったわ。」
「・・・こちらこそ。」
「あ、おばさん!そういやお母さんがね・・・」
「・・・。」
「・・・ジョンさん。」
「・・・はい。」
「・・・あの・・・昨日の事なんですけど・・・」
「あぁ・・・ちょっと驚きましたね。」
「・・・あの・・・私、何だかスイッチ入っちゃったみたいで・・・」
「・・・きっとパーカーさんの影響だったのかもしれないな・・・なんて・・・夜だったし・・・。」
「・・・そうかもしれませんね。」
「・・・あの・・・ほんとに・・・変な事口走っちゃってごめんなさい・・・。」
「いえ・・・気にしないで下さい。」
「・・・。」
「あなた!」
「・・・では。」
「・・・ごきげんよう。」
「おねえさん。」
「・・・え?」
「またパーカーの奴が現れるかもしれないから送って行くね。」
「・・・ありがとう。」
「じゃ。」
「今日はありがとう、気をつけて帰ってね。」
「うん、またね。」
「・・・。」
「・・・何だか・・・疲れちゃった・・・。」
そりゃ・・・ついに妻爆弾が炸裂したのですから・・・お気持ちお察しします。