ロマンスの演技
「与作は舵を切る~ ♪ 」
「ヘイヘイホ~~ヘイヘイホ~~ ♪ってか! 」
『こりゃ!そこの新米!サボってないで仕事をせんかい!』
「世の奥様方!日々のお掃除、大変ですね!
そんな時に是非お勧めしたいのが、このソルティクリーン洗剤なんでゲスよ!
一家に1つ、オウム印のソルティクリーン!これで家中ピッカピカだぜっ!」
「はーい!オッケー!」
「サヤカちゃん、今日もばっちりだったよー!」
「・・・!!!このカメレオン怪人めーっ!」
「うひーーーーー」
「ったく!そう簡単に脱獄出来る訳がないだろう!」
「うひーーーーー・・・」
「大人しく檻に入ればいいんだよ!ほら、さっさと歩け!」
「うひーーーーー・・・」
「いいか、大人しくしとけば、後で虫でも持って来てやるからな。」
「・・・うひーーーーーーー!!」
「さぁ!今日も一件落着だ。」
「刑事・・・今日は・・・すいませんでした!
私が油断したばっかりに、刑事を危険な目に遭わせてしまって・・・」
「なんだ!そんな事を悩んでいたのか?」
「だって・・・刑事に何かあったら・・・わたし・・・わたし・・・」
「ったく!可愛い相棒だなぁ!」
一体、どういうストーリーなんだよ・・・って感じですが・・・www
「はーい!じゃ、本番行きまーす!」
「用意!」
「アクション!」
「あらあら、だからきちんとお薬を飲むように言ったでしょう?」
「だってこの薬、飲むと眠くなるし、痒くなるしで散々なんです。」
「はい!そんな時は!」
「副作用の出ないブレクリ二カル製薬が、きっと皆様のお役に立てると思います!
ブレクリ二カルの薬品は・・・」
「という訳で、ブレク二カル製薬からのお知らせでした!」
「・・・はーい!オッケー!」
「いいよいいよ!よかったよー!」
「あのねサヤカちゃん、ちょっと話があるんだけど。」
「はい、何でしょうか?」
「さっきドラマ部門の方が来ててね、サヤカちゃんの事が気に入ったらしいのよ。」
「・・・え?ほんとですか?」
「うん!それでね、ドラマのパロディCMをやってみないかって話なんだけど・・・」
「・・・どう?やってみる気、あるかしら?」
「・・・ドラマの・・・CM?」
「CMって言っても、これまでのよりは、ちょっと本格的だよ。」
「まぁ、考えといてね!じゃ、お疲れさまー。」
「・・・お、お疲れさまですっ!」
どうやら、サヤカちゃんに思いがけない一大チャンスが巡って来たようです。
・・・カラーン・・・ (あ、一応、ドアを開ける音ね、雰囲気雰囲気。)
「こんにちはー。」
「いらっしゃいま・・・あら、マシューくんじゃない。」
「あなたは雪の日が好きなのね・・・あら、そんなにおめかししちゃってどうしたの?」
「ほら、もうすぐスターライト・アワードだから、一張羅を引っ張り出してみたんだけど、この一年でだいぶ体が大きくなったみたいで・・・」
「それで、ちょっとサイズ直しをお願いしようと思って。」
「ふーん・・・サイズ直しねぇ・・・」
「それよりは・・・新しいスーツを仕立て直してみたらどうかしら?」
「え?これ・・・変かな?」
「ううん!とっても素敵だけど、それじゃ他の人と被るんじゃないかと思って。」
「どう?ここはフミ姉さんに任せてカッコよく変身してみない?」
「え、でも忙しいんじゃ?」
「この雪じゃーね。どうせ誰も来なくて暇だったの。」
「じゃ、お願いしようかな。」
「ふーむ。確かに逞しくなってるわね。」
「最近はアクションっぽい役も貰えるようになったから鍛えてるんだよ。」
「なるほどー・・・じゃ・・・」
「こんなもんでどうかしら?」
「う、うん・・・自分では絶対選ばない色だし、新鮮でいいかも・・・」
「いや、駄目よ!ダメ!こんなのはあなたのイメージじゃなかったわね、次!」
などと・・・
キャッキャ!キャッキャ!と、じゃれ合う2人なのでした。
なんだか青春って感じで楽しそうですね。
「よし!これなら会場の色にも埋もれないはずだし、何より、よく似合ってる!」
「そ、そう?」
うん。とりあえずベストが好きです。
ベストなら何でもいいのです、だからいいと思います。
「それで?自信あるんでしょ?」「え?なにが?」
「もう、とぼけちゃって!スターライト・アワードよ!」
「うん・・・まぁ、お陰様でノミネートはさせてもらったからね。」
で、いつも通りに・・・
この2人ってどんな関係なのかなーと、妄想した結果が以下になります。
猛吹雪の日に、遭難しかけていたのを助けてもらって以来・・・
何だかんだで急速に親しくなっていった、去年のクリスマス前。
「あー、怖かった!」
「マシューくんってスケート滑れないのね。」
「フミさんだって大袈裟に転んでたくせに!」
「ふーん、ラブコメディに出るんだ?」
「うん、それはいいんだけど・・・キス・・・シーンがあるんだよな。」
「へー、やるじゃん!」
「うん、でも、イマイチ・・・自信がないというか。」
「ね、ちょっと相手役やってあげようか?」
「・・・え?」
「仕事柄、役者さんとつるむ事が多いから、たまに練習相手になったりしてるの。」
「それにほら!ウェディングアーチでムード満点じゃない?なーんてね・・・」
「・・・って・・・マシューくん!?」
「だって練習相手になってくれるんだろ?」
「・・・ちょっと!恥ずかしいから下ろして・・・」
あぁ・・・もうこっちが恥ずかしくて台詞を書けません。
「へへへ、どうだった?」
「・・・え?」
「一応、見せ場はこんな感じで考えてるんだけど、やり過ぎかなぁ?」
「あ・・・あぁ、練習よね、練習!うん、上手だったよ!」
説明っぽくなりますが『演技』スキルを上げていくと、『シーンを演じる』コマンドが追加されるようになるんです。
その中に『ロマンスを演じる』というものがありまして、要は『演技』という名目で知り合いなら誰とでもキスが出来ちゃうような便利コマンドなんですね。
『演技』という名目なので、ピンクのゲージは発生しません。撮影などには超便利です。
さて、ロマンスシーンと言えば・・・のサヤカちゃん。
「・・・『ここで、ガバッ!といく!』って・・・
『ガバッ!』って・・・どういう意味だろうね・・・?」
という訳で、初めてのラブシーンを演じることになったサヤカちゃん。
とりあえず、ラブコメなどを観て研究中してみたり・・・
撮影前の準備課題にも、ロマンチックな感情になってみる的な項目がありますが・・・そもそも、あまり浮ついたキャラではないので、どうしていいか手探り状態って感じでしょうか。
「・・・うーん・・・『ガバッ!』・・・か・・・。
いけるかな・・・?『ガバッ!』っとなんて・・・。」
サヤカちゃん、そんなに難しく考える必要はないと思うよ。
4の世界における『演技のキス』なんてのは、所詮、ピンクゲージも発生しない程度の軽い・・・
・・・軽いキスなんだから。
ちなみに『演技』スキルの『シーンを演じる』には、『ロマンス』の他に『アクション』もあります。
うーん、どっかで見たようなアクションだけど・・・www
相手役によっては、すごく大根役者みたいな演技になったりして面白いです。
あと『シーンを演じてチップを稼ぐ』というコマンドもあり、この場合は周りのシムを呼んで観客になってもらい、
一連の演技を終えた後には2人でお辞儀をするんだけど、これがめっちゃ可愛いです。
とにかく、この演技のアクションが可愛いので、無駄に2人の関係を妄想してしまっただけのお話でした。
さて、サヤカちゃんに戻って。
「おはよーございます。」
今日は・・・ドッキドキ!初めてのキスシーンを含むドラマCMの撮影日です。
「あれー?今日はやけに静かじゃない?」
「・・・へへへ。」
「・・・うーん・・・『ガバッ!』っとかぁ・・・」
「・・・この・・・シム・・・と・・・・・・『ガバッ!』っとするんだな・・・」
「ん?何か言いました?」「い、いえ!別に・・・!」
これでも、一応、相手役はCAS整形したんですよ。
「はーい!じゃ本番行きまーす!サヤカちゃん、今日もよろしくねー!」
「・・・ふぁい!お願いします!」
で・・・何故か・・・
いきなりモップがけのシーンから始まるこの撮影・・・www
これで一応はドラマの撮影ってんだから、何がなんだかよく分かりませんwww
モップがけのシーンが終わると、今度はジョークシーンです。
・・・が!
「・・・えっと・・・あれ?何だっけ・・・」
「はい!カット!」
「今日ちょっと・・・固いみたいだけど、大丈夫?」
「・・・い、いえ!色々初めで・・・ちょっと緊張してるだけです。」
「じゃ、続き。お願いしますね。」「は、はい・・・!」
「用意!アークション!」
「嗚呼、会いたかったわ!愛しのスイートハート!」
「僕もだよ!マイダーリン!さぁ!きつく抱きしめておくれ!」
「・・・は、ハグなんかじゃ足りないわ!」
「さぁ!僕の胸に飛び込んでおいで!愛しのベイビー!」
「・・・えっと・・・」
「・・・ほら、早く!ガバッと来いよ!」
「・・・う、うん・・・!」
「・・・も、もう絶対、離さないからっ!」
「あぁ!僕の可愛い子猫ちゃん・・・!」
「・・・はい・・・!」
「カーーーーーット!」
「うーん・・・。」
「あのさぁ。このシーンは君がリードしてくれないと、どうにもならないだろ?」
「・・・ご、ごめんなさい。」
「・・・CMだからってやる気がないなら帰れよ!」
「・・・そ、そんなんじゃないの!」
胸いっぱいの夢と希望を抱えて、明日のスターを目指すサヤカちゃん・・・
ここに来て・・・ついに試練の時を迎えたようです。