第43話 惰性
「よしっ・・・!」
「うーん・・・あんまり持って行ってもなぁ・・・。」
「・・・はぁっ・・・・・・どうしてこんな事になってるんだろ・・・。」
今日は何やらせっせと大掃除中・・・?のリンダですが・・・
「ボンジュール!リンダ!」
「・・・ボ、ボンジュール!トリ・・・。」
「なーんだか・・・
ずいぶんスッキリしちゃってるのね。もしかして、リンダも引っ越しするとか?」
「うーん・・・引っ越しって言うか・・・」
「今、ブラッドショーさんのところで暮らしてるから・・・」
「・・・え?」
「・・・それでね、ちょっと荷物の整理しに来たの。」
「・・・ん?なに?お金に困って居候させてもらってるとか・・・?そういう話?」
「そうじゃなくて・・・同居って言うか・・・?」
「・・・同居って・・・キャリーさんたちと?」
「・・・と言うか・・・チェスターくんと。」
「・・・?・・・ちょ、ちょっと待って?なにその流れ?まさか、付き合ってるって事?」
「・・・そういう訳じゃないんだけど・・・流れで・・・?」
「流れ・・・?だったら同棲じゃない!いつからそんな事に・・・?って言うか、どうしてそうなったの?」
「・・・うーん・・・それがわたしにも・・・」
「・・・わかんないの。」
あはは!
作ってる私にもどうしてこうなったのかわかんないので、リンダがわかる訳もないのですが・・・経緯はこうです。
「なるほど、たまたまバッタリ出くわしてしまったんですね?怖かったでしょう?」
「・・・そうなんです・・・泥棒なんて初めてで・・・電話するのが精一杯・・・。」
「そうでしょう。それで、人相や服装なんかは覚えていますか?」
「えっと・・・暗くてよく覚えてないけど、変な帽子・・・カウボーイハットみたいなのをかぶってました!」
「何だって?カウボーイハット!?」
「そうなんです・・・変ですよね、でも確かにカウボーイハットでした。」
「もしや・・・ヤツかもしれないな・・・」
うちは泥棒と言えばルークなので、ついつい引っ張り出したくなる親心・・・w
「それはさておき、警報装置が止まってたみたいですね。」
「・・・でもわたし・・・
・・・警報装置なんて操作の仕方もわかんないから触ってないのに・・・」
「これがヤツのやり方なんですよ、警報装置を止めて侵入するってのがね。
でも良かったですね、何も盗られてないようで。」
「・・・すいません!遅くなりました。」
「チェスくん・・・」
「おー、来たか。すいません、ちょうどいい機会なんでちょっと勉強させてやって下さいね。」
警察キャリアに進む事が決まってるチェスくんはもちろん『勇敢』特質持ちですから、こういう時は頼りになるのかなーなんてね。
で、雑ですが・・・経緯に戻ると・・・
「今日はもう心配だから、よかったら・・・うちにおいでよ。」
「・・・え?」
「だって一人は怖いでしょ?うちなら安心だと思うし。」
「まぁ、それが一番安心だな。よし、頼んだぞ。」
えーーーーっ・・・って感じですが・・・www
このくらい強引じゃないと話がまとまりませんので・・・
ほ、ほら、3のシムってわりとドラマチックなタイミングで『引っ越しておいでよ!』とか言うじゃないですか?
チェスくんが若年世代になってからは、何度か引っ越しのお誘いもあったし・・・だからもう、このタイミングで何が悪い!と開き直って逃げます・・・www
「そりゃまた・・・ずいぶん色々あったのねぇ・・・」
「・・・でしょ?」
「だからって・・・同棲ってのもよくわかんないけど・・・」ホントにねぇ・・・。
「・・・ちょ・・・何だって!?」
「だから・・・今、一緒に暮らしてるんだ。」
「・・・はぁぁぁ????」
「なんで・・・いきなりそんな事になったんだよ?」
「それが・・・」
「災難だったね・・・怖い?」
「・・・う、うん・・・さすがに・・・びっくりしちゃって・・・
でも・・・いくらなんでもいきなり押しかけるのは申し訳ないね、ご家族にも。」
「あれ?言ってなかったっけ?僕、今、一応、独り暮らしなんだ。」
「・・・そうなの?」
「うん、うちの物置だったんだけど、しばらく自立生活の予行演習しようと思って。」
「寝室はこっちだよ。」
この子、わりと純真なフリしてドッカンドッカン爆弾落としまくってくれますね・・・。
さてさて、どうなりますやら。
「ちょ・・・チェスくん、さすがにそれは申し訳ないから、私が床で寝るって。」
「ううん、気にしないで。寝袋もあるし。結構好きなんだ、寝袋。キャンプみたいだし!」
「でも・・・」
「今日はこんなに怖い思いしたんだから、せめてゆっくり寝て欲しいからさ。」
「・・・なんか・・・ごめんね・・・色々。」
「ううん、じゃ、お休みなさい。」
「何かあったら起こしてくれていいから。いい夢を。」
「・・・お、お休みなさい。」
もうこうなって来ると、無邪気なんだか計算なんだか・・・ね。
「おはよう。よく眠れた?」
「うん・・・変なカウボーイの夢見ちゃったけど。」
「もうすぐ朝食だから、座って待ってて。」
「ありがとう。じゃ・・・食べたら帰るね。」
「別に、そんなに急がなくてもいいよ。」
「だけど・・・」
「そのカウボーイハットの奴って聞いた事あるかも。確か・・・ルークとかいう大悪党だったかな。」
「大悪党なの・・・?危ないとこだったんだ・・・」
「わりと・・・紳士的な悪党だって噂だけどね、でもいつか絶対捕まえるから安心して。」
「うん、チェスくんなら絶対捕まえてくれるって信じてる。」
あーぁ、またルークに宿命のライバルが一人・・・ww
そんなヨタ話もそこそこに・・・
この日は、『帰るから・・・』と言い張るリンダを何とか言いくるめて、
気分転換に・・・と、博物館的なところにやって来ました。
ずいぶん前に結婚式場にとデフォルト区画を改装した、うーん、教会みたいなイメージで作った場所です。
今回は、話の流れ的に博物館デートみたいな感じかなぁ。
まぁシムズの美術館とかって展示物を眺めるだけなので、ストア品もぼちぼち配置したりしています。
で、突然思い出したというか、買ったまま放置してた『不思議な願いの泉』
そういや、この泉の存在をすっかり忘れていたなと・・・
どういうアクションがあるのか知らなかったので、とりあえず『愛』を願ってみたら・・・
わりとリアルなカエルがぴょこーんと現われて・・・嫌々・・・キスをすると・・・
その時々によってマチマチなんですけど、願いを聞き入れてもらえた場合、シムズ3史上、最高クラスに派手なエフェクトと共に運命のお相手?が出現するみたいです。
この緑の光ですけど、ほんとかなり派手です。多分、爆発キャリアじゃないや・・・発明キャリアの爆破と同じくらい派手な演出だと思いますね。
で、せっかくそんなド派手な登場の仕方で現われる運命のお相手?なんですが、いつもの自動生成シムなので、そこはちょっとつまんない。
どうせなら中世の王子様みたいな感じでジャジャーンと大袈裟なアクションとかしてくれたら嬉しかったなーとか思ってしまったので・・・
速攻でCAS画面に入って編集するという暴挙に出ました・・・ww
いや、今ね、『魔術師マーリン』ってドラマを観ていまして・・・
そこに出てくるアーサー王子がチョー可愛いんだもん。
なので、ちょっと今、中世とかファンタジーとか、そういった世界の王子様に夢中なんです。
あの大袈裟な深紅のマントを翻す王子様・・・たまらんのじゃー・・・
あ、全然伝わらないと思いますけど、一応、このシムは中世の王子様をイメージして衣装着せてあるんだからね!
・・・あ、ごめん。
だってアーサー王子・・・本当にすっごい可愛い・・・もういいって・・・?
そうですよね、興奮を抑えて話に戻ります・・・www
こっちの話では、チェスくんてちょっとヒーローというか、王子様みたいなところがあるのかなーって思いますよ・・・わざとらしい・・・www
でも、わりと決めるところはスパッ!と決めるところがあるのかなーって思ったり。
そんなチェスくん、何やら、本棚をゴソゴソ・・・
ジャジャーン!と見つけたるは隠し扉でしたー!
これ、前にもやった展開だと思いますけど、まぁ気にせず話を進めます。
ここは、秘密の書斎みたいなイメージで作った隠し部屋なんです。
「おねーさーん、こっちこっち!」
と上に登りまして・・・
不気味な屋根裏を更に登りまして・・・
泥棒関連で『臆病』な特質を付けていたので、いつもと違ったアクションが見る事が出来てなんだか新鮮です。
かれこれ恐ろしい時間プレイしていますけど、まだまだ知らないアクションがありそうなのが3の怖いところです。
で、話に戻ると・・・
「ほらっ!これなーんだ?」
「・・・ヤ、ヤドリギ・・・?」
「正解!」
「ってことは・・・?」
そんな訳で・・・
「ほら、大丈夫だから!」
「えーっ・・・ほんと?わたし全然初心者なんだよ?」
「僕が支えてあげるから!」
あのー・・・もうこれ・・・アンタたち・・・付き合ってるでしょ・・・?
って言いたくもなりますが・・・違います!
まぁ・・・実際は・・・
わりと押しの強いチェスくんにほだされて、
流れに任せてみることにしたリンダ・・・みたいな感じだと思いますけどね。
「なんかね・・・でも、今、すごい幸せなんだ。」
「え?でも・・・それって付き合ってるって事でいいんだよな?」
「それは・・・違う気もするけど、このままそうなればいいなって思うんだ。」
「・・・ったく・・・何やってんだよ・・・」
「だって!ロバートがあんなこと言うから・・・。」
「まぁ・・・もう好きにしろよ。」
「・・・ねぇ、トリ。そんなことよりさぁ・・・
リンダもってことは、もしかして、あのお屋敷から出るつもりだったりする?」
「うーん、さすが鋭いわねぇ・・・と言うか、フランスに越そうかって話をしててね。」
「まだ全然、決まった訳じゃないけどね。いい所だったなーって。
ガンサーもムーンライトフォールズが気に入ったみたいで帰って来ないし、居候がいつまでも居座る訳にいかないかなぁって。」
「・・・そっかぁ・・・それはすいぶん・・・」
「・・・寂しくなるなぁ。」
「だから、まだ決まった話じゃないってば!」
「この間の話だが、考えてみてくれたかね?」
「・・・はい、熟考した結果・・・やはりお断りさせて下さい。」
「・・・どうしても?」
「えぇ・・・まだうちには子供も居ますし・・・」
「そうか・・・君のような優秀な記者なら、向こうの方が活躍出来ると思うんだが。」
「・・・すいません、こんなにいいお話を断ったりして・・・。」
「いや、気にしないでくれたまえ。残念だけどね。」
「・・・私もです。」
(・・・しっかし・・・わかんねーな・・・)
(やっぱあれって・・・勘違いだったのかな・・・
・・・じゃないとリンダと同棲っておかしいもんな・・・)
(・・・ほんと・・・訳わかんねーよ。)
・・・作ってる私でもわかんないんだから、ロバートにわかるはずがありませんけどね・・・。
「話す・・・ですって?話すって何をよ!さっさと話しなさいよ!」
「ミッシェル・・・とりあえず、落ち着かないと話も出来ないだろ。」
「・・・何よ!」
「何よ!バカにして!大体どうしていつも私ばかり我慢しなきゃいけないのよ!」
「・・・我慢って・・・何をだよ?」
「転勤よ!せっかく本社に転勤の話が出てたのに!」
「転勤・・・?そんな話聞いてないけど、別に好きにすればいいじゃないか。」
「好きにすればですって!?ロバートがあんななのに放っておける訳ないでしょ!」
「じゃあどうしろって言うんだよ・・・」
「あなたはいいわよね、一人で好きなように浮気してればいいんだから!」
「悪かったけど・・・俺だって辛かったんだよ・・・色々・・・」
「色々って何よ!大体そんな年でもないでしょ!一人で浮ついてバッカみたい!」
「お前のそういうところ・・・人が気にしてる事をいちいち言わなくてもいいだろ?」
「はぁぁぁ?あなたが悪い癖に逆ギレなの?もういい!今日は実家に帰らせてもらいますから!」
「・・・好きにしろよ!」「好きにするわよ!このスケコマシ!!」
「・・・あ・・・ロバート・・・帰ってたの・・・」
「・・・うん。」
「お母さん・・・今日はちょっとおじいちゃんの所に行くわ。一緒に来る?」
「ううん・・・いいよ、留守番くらい出来るから。」
「ごめんね・・・ロバート・・・!」
あーぁ・・・もうめちゃくちゃです・・・。
まぁ、ミッシェルも色々、大変だったり辛かったりしたと思うので・・・
どうしてこんな事になってしまったのかなぁ・・・って感じですが・・・
「・・・ロバート・・・帰ってたのか・・・悪かったな、変なもの見せて。」
「・・・別に・・・何が理由で喧嘩してたの?」
「・・・ん?いや、まぁ・・・あれだ・・・」
「そうだ!どうせだから、一緒にボウリングでも行くか?久しぶりだろ?」
「いいけど・・・だったら・・・チェスも誘っていい?」
「あぁ、そうだな・・・そうしよう。」
うーん・・・
・・・なんだか嫌な予感がしますが・・・続きは次回です。