一つの終わりと始まり
「・・・ほんとにいいの?」
「ほんとに後悔しない?」
「・・・うん。」
「あら、おかえりなさい。」
「・・・ただいま。」
「こんなに長いんだからヘアスタイルなんて色々できるんだよ?」
「・・・気分を変えたくて・・・。」
「ほんとにいいのね?」
「お願いします・・・。」
「あら、短い髪もよく似合うじゃない。」
「・・・うん。」
「引っ越しちゃうなんてほんと残念だわ。」
「わたしもです。」
「絶対本買うから。またその内寄ってちょうだいね。」
「・・・ありがとうございます。」
「あら、おかえりなさい。」
「へぇ~、ツインブルックから引越しされて来たんですか?」
「・・・えぇ・・・そうなんです。」
「それはそれは、ようこそサンセットバレーへ。」
「親父・・・何か用?」
「いや。」
「サン・ソング通りの3・・・あ、ここです。」
「どうもありがとう。」
「・・・新しい・・・」
「家・・・か・・・。」
「この後出かけるけどいい?」
「またチェス君と?」
「いいけどあんまり遅くなるなよ。」
「はいはい。」
「ロバート待った~?」
「ん?すんげー待った。」
「ほんと?ごめんごめん。宿題時間掛かっちゃって・・・」
「・・・相変わらず冗談通じない奴だな。」
「え?」
「何でもないって。」
「そう言えばね・・・」
「・・・。」
「ほら、あそこの空き家。」
「誰か新しい人が越して来るみたいよ。」
「へぇ。」
「そこの家、誰か引っ越して来たのかな?」
「え?」
「灯りがついてるから。」
「ほんとだな。」
「どんな人かな?」
「さぁな。」
「楽しみだね。」
「そうか?」
「・・・さて・・・」
「・・・次・・・行ってみよっか・・・。」